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サンテメディカル10アイケア対談
目を働かせ脳を刺激する生活

体の健康管理は気にしている人でも、目のケアはなおざりにしがちなものです。
そこで、「田舎暮らしでますます元気」と話すフリージャーナリストの高野孟さんをお迎えし、
井上眼科病院の若倉雅登院長と 「目の健康とケア」について語り合っていただきました。

対談者プロフィール

若倉雅登(わかくらまさと) 医療法人社団済安堂 井上眼科病院院長


1980年北里大学大学院医学研究科博士課程修了、医学博士。グラスゴー大学シニア研究員、北里大学医学部助教授(眼科学担当)を経て、2002年11月より現職。東京大学、北里大学非常勤講師。専門は主として神経眼科およびぶどう膜疾患。現在、日本神経眼科学会理事長、アジア神経眼科学会副会長、日本眼科学会評議員、メンタルケア協会評議員。

高野孟(たかのはじめ) 『インサイダー』編集長


1944年東京生まれ。1968年早稲田大学文学部西洋哲学科卒業。通信社、広告会社勤務の後1975年よりフリージャーナリスト。同時に情報誌『インサイダー』の創刊に参加。1980年株式会社インサイダー設立。2002年早稲田大学客員教授に就任。「大隈塾」を担当。

すぐに回復できる眼疲労とさまざまな変調の原因となる眼精疲労

高野さん

60歳を過ぎたので老眼もだいぶすすんでいます。仕事柄原稿を書くことが多く、パソコンの画面を見つめるためか目がしょぼしょぼしてしまうことが、よくあります。具体的な症状はないのですが、目を酷使していることが人より多いんじゃないかと思います。自分では、1時間に一度くらいは休むようにしていますけれど。

若倉院長

それはいい心がけですね。1時間パソコン作業をしたら10分から15分休みなさいというのは、厚生労働省の勧告にもあるんですよ。

高野さん

そうなんですか。それは知りませんでした。

若倉院長

でもそれは、健康視(目を取り巻く環境)に対しての勧告ですから、私としてはもっと厳しい勧告でもいいんじゃないかと思うんですけれどね。実際には、企業でも1時間作業したら10分休む、ということができていないんじゃないかと思います。

高野さん

できていないでしょうね。

若倉院長

目を取り巻く環境がどんどん悪くなっているのに、それに対してのケアが十分になされていません。体のケアに比べると目のケアは軽んじられていることが問題だと思うんです。

高野さん

私の場合は、体も元気で目に関してもとくに問題はないんですが、1年ほど前から房総半島の山の中に住んでいるものですから、疲れたなと思ったら外へ出て、風景を眺めています。周りすべてが緑ですし、鳥もよく飛んでくるんですよ。

若倉院長

目にとって、とてもいい環境ですね

高野さん

緑を見渡したり、目をマッサージしたり、肩の凝りをほぐすとか、そういうことをできるだけ心がけてはいますが、原稿を書くのに夢中になってしまい、気がつくと夜中でも3、4時間ずっとパソコンの画面を見続けていることがあるんです。それで、あーこんなことしてちゃダメだぞ、と思ったりします。

若倉院長

そういう目の疲れは眼疲労といって、大体一晩寝れば自然と治るものです。これは誰にでもあるものであまり心配しなくてもいいのですが、眼精疲労となるとなかなか大変なんです。眼精疲労というのは眼疲労とはまた違って、一晩寝たくらいでは治りません。眼精疲労というと皆さん目の周辺のことで大したことはない、と思われがちなんですね。しかし実際には、頭が痛くなる、肩も凝る、内臓も悪くなる。さらにはホルモン系もおかしくなって、人によっては抑うつ感も出てきたり、それこそ体重が減少してしまう恐れもあるんです。

ドクター若倉からのコメント

「目の不具合や不都合は、ものを考えたりする精神活動や日常生活に大きな影響を与えるのに、なかなか実感できるものではありませんし、評価しにくいところが問題なんです」

情報を入力する器官であると同時に、その人の体や心の状態を出力している目

若倉院長

たとえば、1日に10時間以上もパソコン作業をしているような人は、生物として明らかに視環境はよくないので眼精疲労が起こります。しかもその仕事が面白くなければ、それがストレスとなってますます眼精疲労が起こりやすいのです。

高野さん

視力のように量的に計測できるものには着目するけれど、それ以外の部分は見落とされがちで、不定愁訴(頭が重い、食欲がないなど、病気として特定はできない漠然とした体の不調)を含めた視力の質というものには、なかなか目がいかないという問題ですね。

若倉院長

そうなんです。目は実際の生活で、色とかコントラストとか形もさまざまにある複雑な環境の中でものを見なくてはいけないので、視力という一面的な見方だけでは計りきれないものがあります。

高野さん

見え方や視力というのは、人によっても感じ方が違いますからね。

若倉院長

目にはいろいろな機能がありますので、一定のことだけをするのではなく、できるだけキョロキョロしてものを探したり、上や下、遠くや近くを見て、目の機能を大いに使ってほしいんです。

高野さん

使わなくなるとどんどん能力がさびていってしまうんですね。そういう動物的本能みたいなものを失っている人が、若い人に特に多いですよね。私にとっては、しっかりものを見ることは至極当然のことで、それは観察力といえるかもしれません。ものを見るのでも人と話すのでも、ぼうっと見ていたのでは、さあ原稿を書こうというときに、何も浮かんでこないということになりますからね。対面しているのであれば仕草であったり、話し方のちょっとした間合いを見るのは、商売柄としかいいようがありませんがとても大事なことです。

若倉院長

自信がありそうな目つきとか(笑)。

高野さん

目というのは、そのようにいろいろな情報を得るところでもありますよね。

若倉院長

私たち眼科医は、目を診察しますけれども、患者さんの目の表情を観察するということは、非常に大切なことなんです。どれだけ苦しんでいるのか、辛い思いをされているのか、それとも目薬だけもらって帰りたいのかとか。訴えていることは、目を見ていると大体わかるんです。それから、患者さんとのコミュニケーションにしても、私が説明したことをどれだけ理解してくれたのか、目を見ているとわかります。

 

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